生成AIの登場によって、コンテンツを作ることは驚くほど簡単になりました。
文章、画像、音声、動画。
以前なら何時間、場合によっては何日もかかっていたものが、AIに指示を出せば短時間で形になります。
特別な文章力やデザイン技術がなくても、誰もがコンテンツを作れる時代になったのです。
ところが、ここに一つの矛盾があります。
作ることは簡単になったのに、見てもらうことは難しくなった。
AIによって、似たような文章や情報が大量に生まれるようになったからです。
では、そんな時代になぜ、あえてコンテンツビジネスなのでしょうか。
そのことを考えるきっかけになったのが、長倉顕太さんの著書『バカでもできる!コンテンツビジネスで稼ぐ方法』でした。
タイトルだけを見ると「簡単に稼ぐ方法」の本に見えるかもしれません。
しかし私がこの本から受け取ったのは、それとは少し違います。
AI時代だからこそ、自分の経験や専門性、価値観を掘り起こし、必要としている人に届ける。
そのための考え方が、これからますます重要になるのではないか。
そう感じました。
コンテンツは、経験を「一度きり」で終わらせない
コンテンツビジネスの大きな魅力の一つは、自分の経験や知識を資産に変えられることです。
通常の仕事では、働いた時間に対して報酬を受け取るケースが多くあります。
一方、記事、電子書籍、動画講座、音声教材などは、一度形にすれば、自分がその場にいなくても誰かに届けることができます。
もちろん、作れば自動的に売れ続けるわけではありません。
必要とされるテーマを選び、商品を設計し、届ける仕組みを作る必要があります。
それでも、
自分が何年もかけて得た経験を、一度きりで終わらせず、何度も誰かの役に立つ形へ変えられる。
これは大きな魅力です。
失敗した経験も、遠回りした経験も、乗り越えてきた出来事も、誰かにとっては「これから通る道」の参考になるかもしれません。
AI時代に差がつくのは「何を作るか」より「誰が作るか」
誰でもAIを使えるようになれば、「AIを使っています」ということ自体には大きな差別化はありません。
同じような指示を出せば、似たような文章や画像を作ることもできます。
だからこそ重要になるのが、
「誰が、なぜ、それを伝えるのか」
だと思います。
これまでどんな人生を歩んできたのか。
何に失敗したのか。
何に悩んだのか。
そこから何を学んだのか。
仕事を通じて何を身につけたのか。
そして、今それを誰に伝えたいのか。
こうしたものは、単にAIへ指示を出しただけでは生まれません。
本書では、自分の専門性や経験、独自の視点が凝縮されたものを「コアコンテンツ」として捉えています。
私なりに言い換えるなら、
「自分の人生の中にしかない材料」
です。
これを持っているかどうかが、コンテンツがあふれる時代にはますます重要になるのではないでしょうか。
コアは自分で作り、展開はAIに手伝ってもらう
AI時代のコンテンツ作りで大切なのは、すべてをAIに任せることではないと思います。
中心に置くものは、自分で作る。
例えば、
自分が実際に経験したこと
そこから得た気づき
大切にしてきた価値観
人に伝えたい思い
これから取り組みたいこと
です。
AIは文章を作ることはできます。
しかし、人生を代わりに生きることはできません。
仕事で失敗したときの悔しさ。
人に助けてもらったときのありがたさ。
病気を経験して初めて気づいたこと。
年齢を重ねて変わった人生観。
そうしたものは、実際に生きてきた人の中にしかありません。
一方、その経験を整理したり、別の形へ展開したりすることはAIが得意です。
一つの経験から、
noteやSubstackの記事を作る
stand.fmの音声台本にする
SNS投稿へ短くまとめる
電子書籍の一章にする
セミナーや講座の教材にする
といった展開ができます。
つまり、
コアは自分が作り、展開はAIに手伝ってもらう。
私はこれが、これからのコンテンツ作りの基本になるのではないかと思っています。
長く残るのは、流行より「人が繰り返し悩むこと」
コンテンツを資産にしていくなら、流行を追うだけではなく、人が長く悩み続けるテーマを扱うことも大切です。
例えば、
人間関係。
健康。
お金。
仕事。
生き方。
自己実現。
こうしたテーマは、時代が変わってもなくなりません。
そして、そこに自分自身の経験を掛け合わせることで、初めて「自分にしか作れないコンテンツ」になります。
私自身で考えるなら、
人生後半からの再挑戦
仕事で培った経験のコンテンツ化
AIを相棒にした発信
がんを経験して見えてきた生き方
65歳を過ぎてから始めた新しい挑戦
などがあります。
「人生後半をどう生きるか」
「これまでの経験を、これからどう生かすか」
これは、一時的な流行ではありません。
同じことで悩む人は、これからもいるはずです。
だからこそ、自分自身の経験を言葉にする意味があるのだと思います。
コンテンツビジネスは「売って終わり」ではない
コンテンツビジネスというと、高額な講座やコンサルティングを販売するイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし私は、長く続けるなら「一度売って終わり」という発想では難しいと思います。
大切なのは、
「この人から買ってよかった」と思ってもらえること。
購入したあとに実践できるか。
困ったときに支援があるか。
小さくても変化を感じられるか。
そして、またこの人から学びたいと思ってもらえるか。
そこまで考えて初めて、リピートや紹介につながります。
ランチ会や少人数のセミナー、オンライン交流会などで直接話すことも、そのための大切な機会になるでしょう。
お客様が何に悩んでいるのか。
何につまずいているのか。
どんな言葉が届くのか。
それを直接知ることができるからです。
AIで効率化できる部分が増えたからこそ、人と直接向き合う時間の価値は、むしろ高くなるのかもしれません。
人生後半世代こそ、すでに「材料」を持っている
私は、人生後半世代こそコンテンツビジネスと相性がいいのではないかと思っています。
なぜなら、すでに大量の「材料」を持っているからです。
長く働いてきた経験。
仕事で身につけた知識。
成功したこと。
失敗したこと。
遠回りしたこと。
家族とのこと。
人間関係。
病気。
定年。
老後への不安。
そして、その先をどう生きるか。
若いころには語れなかったことを、実感を持って語れるようになります。
自分にとっては「たいしたことではない」と思っている経験でも、これから同じ道を歩く人には貴重な情報かもしれません。
問題は、多くの経験が自分の頭の中に眠ったままになっていることです。
そこでAIが役に立ちます。
AIとの対話を通じて、昔の経験を思い出す。
「そこから何を学んだのか」と問い直す。
言葉になっていなかったものを文章にする。
そうやって、自分の中に眠っていた経験をコンテンツへ変えていくことができます。
AIに人生を作ってもらうことはできません。
しかし、
自分が生きてきた人生を、コンテンツとして掘り起こす手伝いはしてもらえる。
そこに大きな可能性を感じています。
誰でも作れる時代だからこそ、「その人にしか作れないもの」が価値になる
『バカでもできる!コンテンツビジネスで稼ぐ方法』を読んで、私があらためて考えたのは、
誰でもコンテンツを作れる時代だからこそ、その人にしか作れないものが重要になる
ということでした。
AIに文章を作らせるだけなら、似たようなコンテンツの中に埋もれてしまうかもしれません。
しかし、その中心に自分自身の経験があれば違います。
経験。
失敗。
気づき。
価値観。
そして、「誰かにこれを伝えたい」という思い。
そこから生まれたコアをAIの力でさまざまな形に展開していく。
それなら、年齢を重ねたことも強みになります。
最初から大きな商品を作る必要はありません。
まずは一つ、自分の経験を書き出してみる。
「自分は何を経験したのか」
「そこから何を学んだのか」
「その経験は、今どんな人の役に立つのか」
この三つを考えてみるだけでも、コアコンテンツの種は見つかるかもしれません。
私も、自分のこれまでの経験を眠らせたままにせず、AIと一緒に掘り起こしていきたいと思います。
そして、人生後半世代の新しい挑戦につながるコンテンツへ変えていきたい。
あなたがこれまで歩いてきた人生の中にも、
まだ言葉になっていない「誰かの役に立つ経験」が眠っているのではないでしょうか。
選書・紹介:へろっさん|人生後半世代のワクワク再起動ナビゲーター




